最新多列CT装置(320列)のご紹介~患者さんにやさしいCT~

今回当院に導入した最新CTの特徴は、「患者さんにやさしいCT」です。
その特徴についてご紹介させていただきます。

CT検査とは

CT装置を更新し、新しいCTが平成27年3月より稼動を開始しました。
CT検査は、「コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)」の略で、レントゲン検査の一つです。X線を発する部分が装置の内側を回転し、体を通り抜けたX線量を検出器が測定し、コンピューター処理することによって、断層画像(身体を輪切りにした画像)を作成します。
身体のあらゆる部位の輪切りの画像を作り出す診断装置であり、全身どこでも検査できるため、病気を見つけるために重要な検査です。

検査時間が短縮されます

例えば、心臓は、常に拍動しています。検出器の列数が少ないCT装置で、この拍動している心臓を撮影するには、撮影時間に加え、長い息止めの時間も必要でした。
しかし、新CTでは、1回の撮影で身体の内部を一度に16cm見ることができるため、その撮影にかかる時間は、わずか0.35秒です。更新前の機器で、同じく16cmの範囲を見ようとすると、約5倍の撮影時間を要し、5回画像を繋ぎ合わせる必要がありましたので、その時間は飛躍的に速くなり、更により精細な情報を得ることができるようになりました。
また、これまでは、撮影時に息止めが最大20秒ほど必要でしたが、約3秒程度に短縮され、息止めが困難な患者さんでも撮影が可能となります。

鮮明な画像を撮影できます

CT撮影の目的は画像診断であり、臓器や病変を正確に描出する ことが最も重要です。上述したとおり、広範囲の画像を1回で撮影できるため、解像度が高い鮮明な画像を撮影することが可能となり、より確実に診断することができます。

また、膨大な撮影データを有効に活用した3D画像解析ができるようになり、各診療科の診断、治療に効果を発揮します(以下はその一例です)。

低被ばく量で安心してご利用いただけます

撮影時間の短縮や被ばく低減技術を用いた装置であることから、放射線量が大幅に低減します。例えば、心臓撮影では、患者さんの放射線被ばく線量も従来の約4分の1に低減されますので、患者さんにより安心してご利用いただけます。

放射線科の医師、診療放射線技師をはじめスタッフ一同、患者さんが安心して検査を受けていただけるよう、さらに撮影技術の向上を図っていきます。