患者さん一人一人に寄り添う「過不足のない外科治療」

特色

当院では、主として以下の疾患の治療に取り組んでいます。

  • 消化器の悪性腫瘍(食道、胃、結腸、直腸、肝臓、胆嚢、膵臓のがんなど)
    がん治療に関しては、ガイドラインに基づき、手術治療を基本に抗がん剤や分子標的治療薬を用いた化学療法や放射線科と連携した集学的治療にも積極的に取り組んでいます。
  • 一般外科の良性腫瘍(鼠径・腹壁瘢痕ヘルニア、内外痔核、直腸脱など)
  • 腹部の緊急疾患(急性虫垂炎、胆石症、胆嚢炎、消化管穿孔、腸閉塞、外傷など)

その他、中心静脈ポート増設術、リンパ節生検術などにも対応しています。

大きな方針は「根治性」「低侵襲性」「機能温存」「集学的治療」の4つです。

「根治性」とはがんを身体から完全に取り除くことであり、手術を行う外科医として最も大切にしなければいけないことと考えています。そのためには、がんの進行度に応じて再発・転移がないよう周囲の組織や臓器を切除しながら、機能を温存するために神経は残すといった「過不足のない治療」が必要です。また、患者さんの過大な負担にならないよう、一人一人の症状や体調に合った治療法(手術、化学療法、その他)をご本人やご家族とともに選択していきます。

「低侵襲性」においては、身体への侵襲の少ない内視鏡外科手術に積極的に取り組み、良好な成績をおさめています。この術式は、従来の大きく切開する開腹手術に比べて痛みや身体への負担が少なく、早期退院・早期社会復帰が可能です。当科の内視鏡外科手術は、日本内視鏡外科学会技術認定医が中心となり執刀および指導管理することで、安全性と良好な手術成績を担保しています。

「機能温存」は、根治性が損なわれない範囲で温存できる機能は極力残す努力をしていることです。例えば直腸がんに対する肛門の温存や、骨盤神経叢の温存による排尿障害の予防などが、術後の患者さんのQOL改善に大きく寄与しています。

「集学的治療」については、近年の抗がん剤をはじめとした化学療法や放射線療法の進歩は著しく、その奏効率(効果が出る割合)も改善されています。当院でも化学療法や放射線療法を手術に組み合わせた集学的治療を実施しています。定期的に外科医、消化器内科医、放射線科医、病理診断科医、看護師、薬剤師と多職種の合同カンファレンスを行い、各学会で規定されたガイドラインに準じた適正な治療法とともに個々の患者さんの治療方針を十分に検討し、最善の医療を提供できるように努めています。その結果をもとに、個人の症状に合った治療法を選択しています。がんのステージによっては術前や術後に補助化学療法を施行しますし、手術が困難ながんに対しても、化学療法や放射線療法でステージを下げて手術が可能になることもあります。

スタッフはそれぞれ得意な分野を持っていますが、常にどの分野でも、「過不足のない外科治療」を提供できるよう、最新の知識習得および技術向上に日々努めております。また、常に患者さんに丁寧な説明と治療を行うよう心がけています。

医師のご紹介

赤見 敏和(あかみ としかず)
役職
診療部長、消化器・一般外科部長、乳腺外科部長(兼)
専門分野
消化器・一般外科
資格

日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医、日本外科学会認定指導医・外科専門医、近畿外科学会評議員

玉井 秀政(たまい ひでまさ)
役職
部長
専門分野
消化器・一般外科
資格

日本外科学会認定外科専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、近畿外科学会評議員、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、プログラム責任者養成講習会修了、ICD

大陽 宏明(たいよう ひろあき)
役職
副部長
専門分野
消化器・一般外科
資格

日本外科学会認定外科専門医、日本外科学会指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本消化器外科学会指導医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本内視鏡外科学会技術認定(消化器・一般外科)

荻野 史朗(おぎの しろう)
役職
感染制御部長、消化器・一般外科医長
専門分野
消化器・一般外科、下肢静脈瘤
資格

ICD(infection control doctor)

小見山 聡介(こみやま そうすけ)
役職
医長
専門分野
消化器・一般外科、腹腔鏡下手術
資格

日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科 胃)、近畿外科学会評議員

坂井 利規(さかい かづき)
役職
医長
専門分野
消化器・一般外科
資格

日本外科学会認定専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、検診マンモグラフィー読影認定医、日本透析医学会認定透析専門医

上田 祐二(うえだ ゆうじ)
役職
院長
専門分野
消化器・一般外科
資格

日本消化器外科学会認定指導医・消化器外科専門医・認定医、日本外科学会認定指導医・外科専門医・認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医・指導責任者、日本臨床外科学会評議員、近畿外科学会評議員、京都府立医科大学臨床教授(消化器外科学)、日本交通医学会理事、日本医師会認定産業医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、大阪府医師会勤務医部会常任委員、大阪市阿倍野区医師会理事、日本医療マネジメント学会大阪支部幹事、日本胃癌学会特別会員

主な疾患

食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・虫垂・肝臓・胆嚢・膵臓などの良性悪性疾患や鼡径部ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、下肢静脈瘤などの疾患を対象に外科手術で治療を行っています。

診療実績 2023年度

・外来患者数  32.0人/日
・入院患者数  18.3人/日
・平均在院日数 9.2日

診療担当医表

1診
赤見
(消化器・
乳腺)
玉井
(消化器)
上田
(第2・4)
(消化器)

玉井
(消化器)
荻野
(消化器・
乳腺)
2診
坂井
(消化器・
乳腺)
荻野
(消化器・
乳腺)
小林
(乳腺)
小林
(乳腺)
3診
大陽
(消化器)
小見山
(消化器)

※下肢静脈瘤は月・火・金に赤見、荻野が対応します。
※気胸など緊急を要する呼吸器外科外来は、外来担当医が対応します。

主な検査・治療実績 2023年度

主要診断群分類(MDC6桁) 件数
乳房の悪性腫瘍 82件
結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 79件
鼠径ヘルニア 74件
胃の悪性腫瘍 49件
虫垂炎 46件
胆嚢炎等 34件
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 33件
胆嚢疾患(胆嚢結石など) 30件
ヘルニアの記載のない腸閉塞 23件
肝・肝内胆管の悪性腫瘍 15件
その他 182件
手術 件数
腹腔鏡下胆嚢摘出術 60件
鼠径ヘルニア手術 49件
乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 35件
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 32件
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 26件
腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周辺膿瘍を伴わないもの) 13件
腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周辺膿瘍を伴うもの) 11件
腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) 11件
乳腺悪性腫瘍手術(単純乳房切除術)(乳腺全摘術) 10件
抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 9件
腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 9件

関連情報

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