部門

リハビリテーション室

リハビリテーション室のご紹介

病気やその治療の過程で生じる身体および高次脳などの機能障がいにより、日常生活活動が損なわれている方、 もしくはその可能性を有する方々に対して、明るく開放的な広いスペースのリハビリテーション室にて、診療を提供しています。 当部門では、セラピスト数を十分に確保し、平日、休日問わずリハビリテーションを提供する体制を整え、毎日充実した治療を提供しています。
私たちは、患者さん一人ひとりが地域で築かれてきた生活基盤の中でいきいきと暮らしていただけるよう、 スタッフ一丸となって支援し、安心、信頼していただける医療を地域の皆さまに提供し続けるよう努めています。

リハビリテーション技士長 上村洋充

主な疾患 骨折など整形外科疾患、脳梗塞などの脳血管疾患、パーキンソンなどの神経難病、外科的手術後の呼吸、運動機能回復、循環器疾患、呼吸器疾患、がん、失語症、構音障害、高次機能障害など。

運営方針

当部門の診療は、病態診断と生理学的・機能学的な分析に基づき、経験則のみでなく、確かな見通しの上で機能回復を図ること、 また、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそれぞれの専門性を余すところなく発揮し、 チームとして連携することでより治療効果を高めた医療を集中的に提供することを基本として行っています。
患者さんやそのご家族の方々が描く暮らしや希望、生きがいについて、 その可能性を広げるための努力を惜しまないことが私たちのモットーであり、患者さんに限らず、 地域の皆さまの生活活動においていつでもお役に立てるような存在でありたいと考えています。

診療実績

2023年4月~2024年3月

疾患別リハビリテーション年間診療実績(単位数)

脳血管Ⅰ 運動器Ⅰ がんリハ 呼吸器Ⅰ 心大血管Ⅰ 廃用Ⅰ 合計
理学療法 30,204 42,744 6,297 8,651 2,997 4,623 95,516
作業療法 26.214 10,859 42 149 381 37645
言語聴覚 9,545 1,138 100 10,783
合計 65,603 53,603 6,339 ,938 2,997 5,104 143,944
摂食機能療法 254件

初期・早期リハビリテーション加算(件数)

初期 早期
理学療法 37,853 54,611
作業療法 4,565 11,3,9
言語聴覚 1,227 4,134
リハビリテーション総合評価1 3.759件
退院時リハビリテ-ション指導 1.597件

理学療法とは

理学療法とは、病気・けが・寝たきりの状態などによって、運動機能に変化をきたす患者さんに対して、 運動機能の維持・回復を目的に治療を行います。患者さんの状態に応じて適切な運動療法、物理療法をはじめ、日常生活に必要な動作の獲得を目指します。
理学療法の直接的な目的は運動機能の維持・回復にありますが、日常生活動作(ADL)の改善を図り、最終的には生活の質(QOL)の向上を目指します。理学療法では、病気などの状態であっても住み慣れた場所で、自分らしく生活を送りたいという一人一人の想いを大切にします。

当院での取り組み内容

安全に細心の注意を払い、より早期からの機能回復を実践しています。
外科的治療を受けられる患者さんでは、手術前より身体評価や目標設定、運動指導を行い、 手術翌日から理学療法を開始することで早期に身体活動の獲得を目指します。また、内科的治療を受けられる患者さんでは、多岐の疾患にわたり、適切な時期より治療を開始し在宅復帰に向けて積極的に取り組んでいます。 さらに当部門では、がん診療におけるリハビリテーション機能の強化にも努めており、手術療法、化学療法、 放射線療法による身体機能および活動性の低下を予防または改善するよう支援しています。
治療は患者さんの状況に応じて平日・休日問わず提供する体制で取り組み、患者さん一人ひとりの日常生活を考えた理学療法を提供しています。

運動療法
運動療法は、関節可動域練習、筋力増強練習、痛みの改善などを通じて、各患者さんに適切な運動の種類や負荷を設定し、 安全かつ効果的な範囲での有酸素運動、身体活動の維持増大を図ります。また実際の動作練習も行い、日常生活活動の能力を高めます。

動作指導・運動指導
患者さんが安全に日常の生活をする上で必要なこと、気をつけていただくことなどをお伝えします。 また、退院後も運動機能を維持していただくにために、患者さん一人一人に適した運動を指導いたします。
物理療法
電気療法、温熱療法、水治療法(渦流浴)により、筋力増強・痛みや循環の改善を図り、運動をしやすくします。
その他
杖、装具などの評価や作成、調整/日常生活活動(ADL)練習/家屋評価、介助指導など

作業療法とは

病気やケガで身体が不自由になられた方等、日常生活に支援が必要な方に対して、ADL(食事、トイレ動作、着替え、入浴等の身の回りの行為)や生活関連動作(家事、仕事、趣味活動等)を維持、改善させ、その人らしい暮らしを取り戻すことを目的として行います。

当院での取り組み

日常生活や家事、仕事をスムーズに行えるよう、身体や認知機能等の改善を目的とした治療や練習を行うとともに、リハビリテーション効果が高い治療を積極的に実施することで、より良い生活へ繋げられるよう努めています。また、患者さんの状態に応じてCI療法※や随意運動介助型電気刺激装置を用いた治療、動作の工夫や動作を補うための道具(福祉用具)を用いた練習等を行っています。
退院される時は、家庭や社会での生活が安全・快適で充実したものとなるよう、患者さんとご家族の方と一緒に生活環境の調整を行います。

※CI療法とは
脳卒中片麻痺患者さんに対し、麻痺していない手を拘束し、麻痺している方の手を集中して治療することで、機能回復を図る治療法であり、様々な研究によって治療の効果が証明されている、標準的なリハビリテーションの1つです。

  • お茶碗やお箸を用いた食事動作練習
  • 浴槽やバスボードやシャワーチェアを用いた入浴動作練習
  • 更衣、トイレ動作練習
  • 台所での調理練習
  • 和室での床上動作練習
  • 自助具の作成、紹介
  • 関節の可動域練習、上肢・手指の治療
  • 高次脳機能障害を持った方への治療
  • 住宅改修のアドバイス
  • 福祉用具の紹介・提供
  • 社会資源の活用・情報提供 等

言語聴覚療法とは

失語症や構音障害に対して、声を出す練習や言葉の練習などを行い、言語機能の改善や有効なコミュニケーション手段の確立に取り組んでいます。また、脳卒中や頭部外傷後遺症のひとつである高次脳機能障害や摂食・嚥下障害の治療も行っています。
患者さん一人ひとり目標に応じた個別練習を行い、家庭や社会への復帰と生活上のコミュニケーション回復を目指しています。

当院での取り組み

脳卒中や頭部外傷等、様々な原因によりコミュニケーション障害が起こり多様な症状が出た患者さんに対し、症状の原因、重症度、有効なコミュニケーション手段等を探り、回復や軽減を図ります。それと同時に、別の方法を用いて対応する手段や、補助する手段を検討したり、ご家族や近親の方々への働きかけを行い、コミュニケーションの円滑化を図っています。
回復期リハビリテーション病棟では、摂食・嚥下チームの一員として、患者さんの食事摂取状態と嚥下機能に応じた最適な食事摂取方法を検討し、栄養の確保と誤嚥予防に努めています。また、病棟看護師と連携し、治療以外の時間でも、失語、高次脳機能、嚥下、構音等の自主練習が行えるよう環境を整え、患者さんの機能回復の促進に努めています。

資格取得者について

専門理学療法士 2名
認定理学療法士 10名
認定作業療法士 1名
3学会合同呼吸療法認定士 3名
心臓リハビリテーション指導士 1名
日本糖尿病療養指導士 2名
日本学会褥瘡学会認定師 1名
福祉用具プランナー 1名
AMPS認定評価者 1名
作業療法士臨床実習指導者 3名
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 1名
転倒予防指導士 1名
会認心理師 1名

学会実績報告