血液内科主な疾患・ 悪性リンパ腫・慢性リンパ性白血病及び種々のリンパ増殖性疾患、多発性骨髄腫 ・ 急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、その他の骨髄増殖性疾患 ・ 再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病 等
特色![]() 和田 勝也(部長)
白血病、リンパ腫に対する化学療法(末梢血幹細胞移植を含む)を中心に多岐にわたるリンパ造血器疾患の診断と治療を行っています。遺伝子解析、免疫学的診断法を取り入れた正確な診断と病態解析に基づいた適切な治療を追求し努力しています。
医師
診療の基本方針標準的治療、一般的な治療ガイドラインに準拠する一方、ひとつの疾患として扱われるものも、病態の異なるsubtypeの集合であることを念頭に診療にあたります。 血液疾患、とくにリンパ増殖性疾患の一部には、診断が困難なもの、なお病態が十分には解明されておらず、標準的治療が確立されていないものも含まれます。また、ご高齢の患者さんでは、他の合併症・臓器障害を合わせて有しておられる場合が多く、しばしば治療実施上の問題となります。初診時に十分な診察と検査を行い、より深い診断を得るとともに、背景因子を含めた広い視野での病態把握に努め、その上で治療方針を決定します。 患者ご本人・ご家族に対し診断名及び病態、治療法について十分説明し理解をいただいたうえで治療を開始し、治療中も病状経過の説明に努めます。
主な疾患に対する治療方針急性骨髄性白血病(急性前骨髄性白血病(APL)以外)60歳未満:イダマイシンとシタラビンによる標準的寛解導入療法を行います。同種造血幹細胞移植の適応がある場合は、寛解導入後、同治療法を実施している施設を紹介しています。
60歳以上:急性骨髄性白血病の多くは60歳以上で発症しますが、この年齢層での標準的寛解導入療法の治療成績は、若年層に比較して十分なものではありません。当科では、ご高齢の患者さんに対して、一定の条件を満たす場合、抗がん剤を少量ずつ長期間連続投与する方法(緩徐寛解導入法)による治療を行います。また、ご年齢や合併症の程度によっては、ステロイド剤、限定的な抗がん剤投与、輸血等を中心とした支持療法によるQOLの維持を目標とした治療を行います。
急性前骨髄性白血病(APL)レチノイン酸(ATRA)と化学療法の併用による寛解導入療法を行います。分子寛解が得られた後は、若年層の方ではATRAと少量抗がん剤による維持療法を行います。
急性リンパ性白血病Hyper CVAD法による化学療法を行います。成人に多いPh1染色体陽性急性リンパ性白血病では、イマチニブを併用した治療を行います。寛解後同種造血幹細胞移植を行う場合は、同治療法を実施している施設を紹介しています。
慢性骨髄性白血病イマニチブによる治療を行います。同剤抵抗性あるいは不耐容の場合は新規チロシンキナーゼ阻害剤を用います。
悪性リンパ腫病理学的診断に基づいた治療を行います。CD20陽性B細胞性リンパ腫においてはリツキシマブを併用します(下記「R-」はリツキシマブ併用の意)。
・低悪性度群B細胞性リンパ腫(濾胞性リンパ腫)及びマントル細胞リンパ腫 初回治療:R-CHOP療法(60歳以上の方はR-THP-COP療法)。 難治・再発例:R-クラドリビン療法を行います。濾胞性リンパ腫では放射線単回照射法を組み合わせた治療を行うことがあります。
・中悪性度群B細胞性リンパ腫(び慢性大細胞型リンパ腫) 初回治療:R-CHOP療法(60歳以上の方はR-THP-COP療法)。 難治・再発例:自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法、またはR-CisEDOH療法(シスプラチンを含む多剤併用持続点滴型化学療法)を行います。
・高悪性度群B細胞性リンパ腫(バーキットリンパ腫) (R-)HyperCVAD-AraC/MTX交替療法を行います。
・中枢神経系リンパ腫 R-MPV療法を行います。
・T細胞性リンパ腫 T細胞性リンパ腫は一般に難治性ですが、当科では以下の方針で臨んでいます。
・成人T細胞性白血病/リンパ腫 LSG-15療法を行います。
・末梢性T細胞性リンパ腫 CHOP療法を行い、治療抵抗性であればCisEDOH療法を行います。
・ホジキンリンパ腫 初回治療:ABVd療法を行います。(60歳以上の方はTHP-A(B)Vd療法) 再発例:若年者ではICE療法後、自家末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行います。
当科では同種造血幹細胞移植を行っておりません。いずれの病型においても、再発・難治で化学療法(抗がん剤治療)のみでは治癒が困難と考えられ、同療法の適応がある場合は、同治療法を行っている施設を紹介しています。
多発性骨髄腫無症候の場合は経過観察します。治療の適応があると判断される場合、デキサメサゾン単剤あるいはデキサメサゾン+シクロフォスファミドによる治療を行います。ビスホスホネート注射剤を併用します。
主な疾患の治療成績血液内科における主な疾患の治療成績につきましては、以下のファイルをご参照ください。
「HTLV-1感染者疫学調査(JSPFAD)」のお知らせ日本国内には約108万人のHTLV-1(human T lymphotropic virus type I)キャリアの方が存在し、今後5万人以上の成人T細胞白血病(adult T cell leukemia ATL)の発症が予想されています。 HTLV-1感染者疫学調査(JSPFAD)では、HTLV-1キャリアの中からATL発症予備軍=高危険度群を見いだし、積極的に発症予防を試みるために、先進的かつ総合的なHTLV-1研究が行われています(詳しくはJSPFADホームページをご覧下さい)。
HTLV-1感染者の方でJSPFADへの参加をご希望される場合、当院血液内科で登録が可能です。年1~2回の受診で、アンケート調査(初診時のみ)と血液検査(HTLV-1ウイルス量測定など)を受けていただきます。
JSPFAD参加のための受診方法
ご注意・事前の連絡は必要ありません。 ・ただし、担当責任医師の高が休診でないことを電話で確認してからご来院ください。 ・受付に紹介状をお出しください(紹介状がない場合、初診料加算として1,365円が必要となります)。 ・JSPFADに関連する検査は無料ですが、通常の血液検査および診察料は保険の範囲内で発生することをご了承ください。
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